・−・ 画材について ・−・


私が使用している水彩の画材を中心に紹介します

  絵の具
 水彩絵の具の種類は、透明水彩と不透明水彩(ガッシュ)の2種類があります。透明水彩は、顔料の粒子が細かいので、水で溶いて塗ると下地が透けて見えます。不透明水彩は粒子がおおきいので、塗ると下地が見えなくなります。一般的には透明水彩を使うことが多いようです。私も透明水彩を使っています。

 私の絵の具は、以前はホルベインノの15色セットを使用していましたが今はイギリス製のウィンザー&ニュートンをばらで買っています。このメーカーの絵の具は、チューブのふたが大きくて開けやすくなっています。絵の具の堅牢性が高く、発色もきれいです。

チューブの絵の具は、あらかじめパレットに絞り出しておきます。固形の絵の具はスケッチなどに使用すると便利です。私は、ホルベインの12色を使っています。
 絵の具の色
現在使用している色は次の17色です。

茶系
  セピア バーントアンバー バーントシェンナ イエローオーカー
黄系
  カドニュウムイエロー カドニュウムイエローペール 
青系
  フレンチウルトラマリン コバルトブルー セルリアンブルー
緑系
  ビリジャン フォーカスグリーン パーマネントサップグリーン
赤系
  アリザリンクリムソン カドニュウムレッド カドニュウムオレンジ
  パーマネントローズ コバルトバオレット

 ※ この中でカドニュウム系の絵の具は、不透明度が高いので
   注意が必要です。

この中でも主に次の色を使っています。
 バーントアンバー
     他の色の彩度を落としたり、グレーを作るときに使います。
 カドニュウムイエロー
     樹木などの下塗りに使います。
 フランチウルトラマリーンorコバルトブルー
     グレーを作るときに使います。
 パーマネントサップグリーン
     この色にバーントアンバーやフレンチウルトラマリーンを混色
     して樹木の色を作ります。
 アリザリンクリムソン
     濃いグレーを作るときに使います。

ウィンザー&ニュートンのカタログでは、次の6色が混色の基本色として、あげられています。
 ウィンザーイエロー ウィンザーレモン
 フレンチウルトラマリン ウィンザーブルー
 スカーレットレーキー パーマネントローズ


固形絵の具はスケッチのときに使います。
ホルベインの12色を使っています。
単色で補充、交換することができます。


 チューブ絵の具




固形絵の具
 水彩紙
水彩画では、紙が作品の仕上がりに大きく影響してきます。
水彩紙には紙の目の粗さにより、細目・中目・荒目の3種類があります。
細目は、細かい書き込みができます。荒目は、ぼかしやかすれなどの水彩の技法が使いやすいと思います。
また、紙の厚さは紙の重量で表します。たとえば300g/uと表現します。

私が今まで使用してきたものを紹介します。

コットマン(中目) 230g
 国産品で値段も安く、入手もしやすい。素直で扱いやすいので、水彩を始める用紙としては適しています。

コットマン(荒目) 230g

 紙のたてよこの目が少し気になりますが、描き味はくせがありません。

ワトソン (中目) 190g
 紙の色が少しクリーム色をしています。絵筆の走りがよいので、水をたっぷり使った大胆な表現がし易すく、雰囲気のある仕上がりが特徴です。ただ、紙が薄いので波うちは避けられません。

モンバル キャンソン 300g
 しっかりとした紙質ですが、水のしみこみが遅いので、水をたくさん使う画法にはむかないと思います。また、塗り重ねもあまり得意ではありません。発色は綺麗です。

フォントネー(荒目) 300g
 水の吸い込みがよく、にじにやぼかし、グラデーションなどの技法には適しています。ただ、紙質が弱いのでマスキング引っかきなどには向きません。
 
ファブリアーノ(荒目) 300g
 イタリア製で非常に高価ですが、波うちが少ないのでF8号などの大判のスケッチブックでも問題なく使えます。また、水彩のいろいろな技法に忠実に答えてくれ、描いた後の修正もある程度は可能です。私は現在このファブリアーノのスケッチブックを使っています。
販売メーカーがアポロ社からミューズ社に代わりました。用紙も今まではファブリアーノの刻印がありましたが、ミューズ社になって刻印がなくなりました。また波うちが少し多くなったのが残念です。
 
アルシュ(荒目) 300g
 フランス製でこちらも高価ですが、水彩の専門家のなかでも、この用紙を愛好している方が多くいて、人気がある用紙だと思います。紙質がしっかりしていて品質は信頼できる用紙です。描いてみると絵の具の発色が、少し沈んだ落ちついた色になるようです。また目もかなり荒く慣れるまでは扱いが難しいかもしれません。


右からアルシュ、ファブリアーノ、ワトソン、クロッキーブック
 
筆の種類には、筆の形状から丸筆や平筆などがあります。また材質は、テンやリス、馬などの動物の毛でできているものと、リセーブルといって、ナイロン製のものがあります。
私はホルベインのPARA 350R(丸筆)12号を使っています。この筆は、リセーブルとイタチ毛をブレンドしていて、絵の具のふくみがよく、筆先のまとまりもいいようです。ほとんどこの筆一本で仕上げますが、空など広い面積を塗るときには16号を、細かい仕上げをするときには10号を使うときもあります。

スケッチに行って簡単に着色をしたいときには、水筆が便利です。柄の部分に水を入れて使います。


 鉛筆
鉛筆は、下書きのとき使います。
鉛筆が硬すぎると紙に跡が残ってしまうし、柔らかすぎるとこすれて、紙を汚してしまいます。
私はハイーユニのHB、B、2Bを使っています。建物などの細かい描写にはHBを使います。
 マスキング液
 細かい部分で、紙の白さを残したい時やそこだけ違う色にしたい場合は、マスキングをしてそのまわりを着色し、絵の具がかわいてからマスキングをはがします。また、マスキングをした筆を洗う筆洗い液もあります。
 わたしは、割り箸を削ってマスキング用に使っています。
 消しゴム、カッター
消しゴムは、練り消しゴムをつかっています。紙を傷めず、また消したかすも出ないので便利です。
カッターは、鉛筆を削ったり、塗った絵の具の表面をけずって紙の白さを出すときなどに使います。
 水入れ
水入れは、市販のものでもかまいませんが、空き瓶やプラスチック製のタッパーなど、自分で使いやすいものを探してみるのもいいでしょう。百円ショップなどで、使えそうなものが見つかると楽しいと思います。